太宰治原作・80分
 妹の婚礼の衣裳を買いにシラクスの街にやってきたメロスは街の異変に気付きます。道行く人に尋(たず)ねると、「王が、妄想に取り付かれ、街の人間を皆殺しにしている」というのです。激怒したメロスは王城に乗り込みますが、たちまち捕らえられます。死を覚悟したメロスでしたが、ひとつだけ心残りがありました。それは、妹の事です。メロスは王に、妹の結婚式を挙げさせ、帰ってくる為の三日間の猶予(ゆうよ)を願い出ます。王は許しますが、それには苛酷(かこく)な条件が付けられました。
「約束通り帰らねば、人質となった親友のセリヌンティウスを処刑する。」と云うのです。
 信義は必ず神に通じるものとして信じ、義務遂行の為に力の限り走り続けるメロス。王の乱暴を諫(いさ)める為に正義を貫くメロス。どんな困難も乗り越えてゆくメロスの姿が、鮮やかに描かれた、胸のすくような作品です。

.

.


ボタンを押すと写真が変わります
●太宰治について

「走れメロス」は昭和15年(1940年)作者が31才のとき「新潮」に発表した作品です。この作品は古くから語り継がれた伝説と著名な詩人シルレルの詩を題材にして書かれたものです。人間関係で、もっとも大切な「信頼」を高らかにうたいあげたこの不朽の名作の完成も、太宰治にしてはじめて可能になったのです。

MEGUMI THEATRE COMPANY
戻る